OMONMA TENT <店舗>

いなかのギャラリー
取手市は芸大の誘致以来、アートを基軸としたまちづくりを行ってきました。市民の参加によるまちぐるみのアートイベントはすでに9年の活動期間を経て社会的な認知度もあがっています。
このギャラリーのオーナー親子はまさにこのイベントに参加してきた、いち市民です。
アートの地域への本質的な文化的定着をはかるには、年に一回のアニュアルイベントから脱皮する必要があり、その担い手としてオーナーは自ら手を挙げたのです。

取手市は芸大の誘致以来、アートを基軸としたまちづくりを行ってきました。市民の参加によるまちぐるみのアートイベントはすでに9年の活動期間を経て社会的な認知度もあがっています。
このギャラリーのオーナー親子はまさにこのイベントに参加してきた、いち市民です。
アートの地域への本質的な文化的定着をはかるには、年に一回のアニュアルイベントから脱皮する必要があり、その担い手としてオーナーは自ら手を挙げたのです。
取手の通称”芸大通り”に面する敷地は、農村集落と耕作地が広がる高台にあります。交通量の多いこの通りは、芸大生が自転車やバスを使って通学する通りでもあり、計画建物はこの通りへのオープンさと閉鎖感のバランスが求められました。
建物の中には、日射を制限する必要のあるギャラリーと保管庫、庭に対して最大限オープンにするカフェ部分があり、二つの空間が隣り合わせになる動線計画としました。外構からカフェ、そしてギャラリーへと閉鎖度を増すヒエラルキーにより、取手という場所とアートの接点をこの建物の中で実現しました。
きわめてローコストにて仕上げるとともに、将来的なメンテナンスコストも最小限になるように仕上げを選びました。ガルバリウムの外壁はメンテナンス性を高め、木建具はシンプルなディテールによりコストを縮小しました。ギャラリーの床はベタ基礎のスラブをそのまま活かしました。ギャラリーの天井も野地板が仕上げとなり、構造のリズミカルなピッチが空間を締めています。
この空間をてこに、取手での芸術文化活動がさらに醸成され、多くの市民をまきこんだムーブメントになることを切に願います。
物件名:OMONMA TENT
担当:岩本 唯史
所在地:茨城県取手市小文間
施工:有限会社アート建設
構造設計:森部 康司
用途:ギャラリー・カフェ
構造・規模:木造・地上2階
延べ床面積:124m2
竣工:2008年5月
photo : Daici Ano