アリノスハウス <住宅>

浮遊する壁によって規定される空間
狭小の敷地に搭状の建物を建てなければならなくなったとき、必然的に「見られるもの」としての運命を背負う。一方で、インテリアの居住性を考えると、その空間の小ささ故「外を見る」場所としての必然性が生まれる。主体と客体の関係をファサードに埋め込み、まるで彫刻のように削り出していった結果、窓が額縁に囲まれたものではなくなり、浮遊する壁によって規定される空間をつくることができたのではないかと思う。

狭小の敷地に搭状の建物を建てなければならなくなったとき、必然的に「見られるもの」としての運命を背負う。一方で、インテリアの居住性を考えると、その空間の小ささ故「外を見る」場所としての必然性が生まれる。主体と客体の関係をファサードに埋め込み、まるで彫刻のように削り出していった結果、窓が額縁に囲まれたものではなくなり、浮遊する壁によって規定される空間をつくることができたのではないかと思う。
2F:外の風景の切取りかたによって外部との連続した空間性を実現した
3F左:狭小住宅における階段下を最大限に利用するひとつの事例
3F右:階段見上げ
4F:部屋の中の立ち位置によって外からの視線を遮る壁や家具
外観:内部の人の動く視線を切り抜いていった結果、このような窓の形状が生まれた。あたかもアリが瓶の中で巣づくりして出来上がったような建物になった
物件名:U hacchobori
担当:岩本 唯史
所在地:中央区八丁堀
施工:サンユ−建設(株)
構造設計:増田構造設計
用途:物販店舗・一戸建て住宅
構造・規模:鉄骨造(耐火)・地上4階、地下0階
延べ床面積:104.12m2
竣工:2007年2月
photo : Daici Ano