LOB13号 <リノベーション>

LOB13号

FLOATING EMERGENCY PLATFORM

阪神・淡路大震災のとき、寸断された陸上交通にかわって大活躍したのが産業としてすっかり忘れられた存在になっていた舟運だった。自衛隊の艦船による補給活動、民間輸送船による重機の輸送、旅客船による16の臨時航路により65万人の輸送が行われた。

ボートピープルアソシエーションは岩本がメンバーとして参加する「都市における水上体験」を誘発する活動を行う団体である。豊かな水辺を都市にとりもどすために、企画提案にとどまらず実施実体験に活動の重心を置き、都市計画、アート、産業遺産、デザイン、イベントを横断する活動を行っている。2005年には横浜トリエンナーレに招待作家としてこの船の前身「LOB13号」を制作した。今回、自治省の「都市再生モデル調査」に選出され、国土交通省港湾局空港港湾部やその他行政や企業のバックアップにより鋼鉄製廃棄物運搬船の「防災船」への転用とその可能性の調査をおこなった。岩本が設計を担当した。
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船は全長22m、全幅5.6m、船体重量30t、ペイロードが95tで、動力はなくタグボートによる曳航が可能だ。鋼鉄製の船体はペイロードに耐えられるようになっているので空荷の状態では重心が高く波や風に弱いことがわかっていたので、コンクリートを10cm敷くことによって重心を下げることが必要だった。
防災時にも自律的にエネルギーを発生することが必要なので、太陽光パネルとバイオディーゼルエンジン発動機を設置している。都市のインフラネットワークから解放された存在として、防災時のみならず特異である。
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屋根はスプルースの柱梁にフクビのポリプロピレン製樹脂型枠を敷き、そのうえからテント皮膜によって防水を施した。透光性のある屋根によって、昼間の電力消費を減らし、また柔らかい光は美術作品などを展示するのに最適である。
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トイレは電動でポリ袋を自動的に密封する装置をそなえた「ラップポン」というものを協賛してもらって設置した。汚物は焼却ゴミとして廃棄することができる。
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屋根の両サイドは跳ね上げることができる。本来は天井高をできるだけとりたいところだが、東京の運河は橋桁までの高さに制約があり、航行時は喫水線から3.2mまでの高さであることを条件とすると、両サイドは上げ下げできるようにする必要があった。夏場の暑さは通風によって解消することとした。
 
 
ボートピープルの活動は、こちらから↓↓↓
http://boatpeople.inter-c.org
 
 

物件名:LOB13 Floating Emergency Platform
担当者:岩本 唯史
発注者:boatpeople association / NPO法人東海道品川宿
施工:ティンバーテックその他
用途:防災+多目的利用船
構造:船体:鋼鉄製産業廃棄物運搬船(尾竹型)
   屋根;木造
主要諸元:全長22m全幅5.6m 閉鎖時の喫水高さ3.2m 重さ30t ペイロード95t
竣工:2007年2月


photo:Daici Ano

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